わたしは、幼い頃から五感で感じたものが色や光や幾何学模様に見える、共感覚者だ。
感じるもの全てが「他人とは違う」と認識したのは、小学生低学年頃だった。
黒板の色は毎日違う色に見えた。絵を描けば「肌色」という色が何色かわからなかった。
算数の時間には数字がダンスをするので、まったく足し算ができなかった。
グラウンドの桜の木が秋には燃え、冬は桜よりも綺麗な花が咲くことは、誰にも打ち明けなかった。信じてもらえないからね。
今ではわたしが見る色に興味を持ってくれる人が多いが、子供の頃は否定ばかりされた。
子供ながらに、否定をする人というのは、初めから”普通ではない”異質なもの(わたし)を受け入れることができない人だと思った。
だから、この感覚があることによって生じている問題についても、誰にも相談できなかった。
なんか刺さる問題。
まず、全てのことを五感によって全力で受け止めて映像のように変換されるので、些細なことでも心に刺さりまくる問題。
例えば読書、映画鑑賞、音楽鑑賞などで、すぐに泣いてしまうほど何かが込み上げてくる。それは単純な悲しみだけではない、複雑な何か。
例えば体育の授業、スポーツ観戦、特に格闘技などは、自分が痛くないのに痛みを感じてしまう。それは思わず目を背けてしまうので、体育の球技ではボールが回ってくると思考が停止する。
具体的には、「もののけ姫」の映画を初めて観た時は半年ほど心が引きずっていたし、山田詠美や櫻井亜美の小説を読めば日常生活がままならないほど心ここに在らずになった。
そのため、人とコミュニケーションをとるにもいちいち刺さるので、たぶん無意識的に「地雷を踏まないようにしよう」とか「やべー奴には関わらないでおこう」と考え、その人が発する色から様々判断していた。
今では、主観と客観のスイッチを切り替える訓練によって、それは幾分かましになった。
映画や読書や音楽を鑑賞する時は、すぐに泣くので、後のスケジュールを考えて行うようにしている。
話が噛み合わない問題。
へえ〜!ということは蜜猫は、情緒性があるので国語力があるんだ!と思うかもしれないがそうじゃないんだよ…。困ったことに。
例えば、「この時の主人公の気持ちはどんな気持ち?」という問いが、未だに日常生活においてもよくわかってない。
先の心に刺さる件は、なにも他人の気持ちに同調して感動しているとか、同情しているとかの感覚ではない。
なんだかよくわからないけど複雑なものが込み上げてくる…それが嬉しいのか、悲しいのか、どんなものなのかわかってない。
強いて言うなら、その時に見えている混ざり合った色が綺麗だったり、幻想的だったりして、一言で言い表すことができないアメージング!な感覚で涙が出る。
自分の中で感性と行動が噛み合ってないので、他人の言う「こう感じたら=次の行動はこう」もよくわからない。
そんな時用のテンプレがあることは理解できているが、自分自身に起きていることをそれに当てはめることができないので、たびたび超失礼な人になってしまう。
家族との会話でも噛み合わないので、諦めている。いちいちひとつずつ確認して、わからないところを潰すという作業をする。
そのため、文章よりも、修正が早い会話のほうがわたしはありがたかったりする。まあこれは、ASDのせいでもあるかも。
すぐ疲れる問題。
これが本当に困る問題であり。
お察しの通り、それだけ何もかも感じていたら疲れるだろうと。
最近では、皆さんから心配されている。
自分としては、昔からこうだったし、他人と疲れ具合を比較する尺度もないし、個人的にエナジードリンクが嫌いで飲まないし。
疲れてるなーと感じることは特になかった。
なんとなくわたしが思うに、他人より頭を集中的に長時間使うことができるようで、それで疲れてしまうのではないかと思う。
学校の授業が50分…集中力が続くのがそのくらい、というのが、え?なんで?と思っていた。5時間ぶっ続けでやって、あと自由時間〜にしてくれたほうがいいのにななどと。
(これはADHDのせいもあるかも)
そもそも、動くこと、見ること、大勢の中にいることで、無意識的に色々感じていて、とても疲れてしまうのだろう。
人と話すことは好きだが、感じることは無意識で止めることができないので、疲れる。→怒られる→休むと生活リズムが乱れる→怒られる、という繰り返しだった。
大人になった今でもすぐ疲れるので、こまめに休みながら仕事をしている。
しかし困ったことに、「そんなん言うたらみんな疲れとるわ」と言う人が多い。
疲れたら休んでいいはずなのに、病気じゃないと休んでダメみたいな風潮が日本にはある。
疲れやすいのは食事や睡眠がとれていないからでは?とか、そもそも運動不足では?太っているせいでは?とも言われる。
現代社会のリズム(週5日、8時間労働)がわたしに合ってない気がする。
自由な時間配分で一極集中型でのパフォーマンスのほうが良くて、だらだら8時間しかも週5日も持たない、と思ってしまう。
その点では自営業なのでとてもラクさせて貰っている。
糖分とカフェイン依存問題。
ストレスを感じた時、多くの人が欲する糖分とカフェインだが、わたしの場合は制限しないと摂取しすぎてしまう傾向にある。
ピーク時は、チョコレートで無理やり霊視を行っていたし、水分はコーヒーしか飲んでいない時期があった。
当然、胃腸がやられる。もともと胃腸が弱いのにさらに悪化する。
そしてそれらは麻薬と同じようなもので、脳が「もっともっと」と摂取させたがる。
少しの量では頭が冴えなくなってしまう悪循環。
今では炭水化物を控え、コーヒーは200cc程度に留めて、プロテインとビタミンB群を摂取するようにした。
ちなみに発達障害者の人は糖分とカフェインを控えめにするといいらしい。
たしかに食事に気を付けるようになってから疲れにくくなった気がする。
生きる問題。
内側で感じてしまったものが溜まってしまうと、いつか爆発してしまう。
なので日々内側から外側へ放出する作業を行っている。
何でストレス発散させるかだが、わたしの場合は文章や絵を描くことがよかった。
感じた色はすぐにぴったりの言葉にすることができた。
わたしはこの作業がスムーズに行えたが、たぶん「どうやってストレス発散したらいいかわからん」人は多いと思う。
自分に合った何らかの方法を見つけていくしかない。
ただ、この発散も「時間に余裕」がないとできない。
日々何かに追われて生きていると、自分のメンテナンスのための時間が削がれる。
するとバランスを失って、各人の生活リズムが乱れ、免疫力が落ち、病気…という悪循環になる。
わたしにとっては「余裕ある生活がしたい」という夢ではなく、生きるために「余裕がないといけない」。
わたしが望むのは「健康的に生きること」で、大したことじゃない目標に思われるが、本当の健康は「豊かさ」に直結する。
健康は時間がないといけない、時間を生むには金銭的に余裕がないといけない。
仕事を詰めてもいけない。ストレスを溜めないように嫌なことはしない。
これって、「豊か」ではないかと。
わたしは持病と、共感覚という疲れやすい自分を肯定したうえで、「どうやって生きるか」を考えてきた気がする。
今、わたしは豊かだ。
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