夏至のころ、ある朝に編み記号が降ってきた。それはリンゴステッチ。
教室のマジックループ練習にもなる指なし手袋のパターンへ育てた経緯と、テストニットの様子・「こんなのほしかった」の声。
Mitsu apple pie mittsができるまで。
突然降ってきた!
あれは、2026年6月21日の夏至を過ぎたころ。
ある朝目覚めると、編み記号(kとかyoとか)が降ってきた!
編み物を知らない人にはなんのこっちゃ? な記号なのだが、kは表編み、yoはかけ目といった具合で、それが編み方の指示になるのだ。
試しにそれを編んでみると、とてもかわいい模様編みになった!
しかも簡単で、ノンストレス!!
わたしにはその模様が最初はオレンジに見え、編み友のルカちゃんに試し編みのスワッチを見てもらった。
彼女は「リンゴに見える!」と言ってくれた。
見える~! となりて、わたしももうリンゴにしか見えなくなった(笑)。
正直にいうと、オレンジよりもリンゴのほうが、創作しやすそうだったのもある。
リンゴといえば、連想できるものがたくさんある。アップルパイ、ウィリアム・テル、黄金の林檎など、なんか色々派生が面白そう。
今度オレンジに見える編み方も開発したい。だがひとまずは…
このステッチ、命名:リンゴステッチ となった。
リンゴステッチ
リンゴステッチは、わたしが編み出した編み物の技法だ。
目を通すノット+特殊な針の動かし方によって、リンゴ模様に見えるステッチが完成する。
しかも超簡単!
6段リピートで覚えやすく、パターンを見なくてもできる!
あんまりかわいかったので、最初にルカちゃんとハルコさんに、編み方を送ってみた。
こんな編み方で編んだことがあるか、確認してもらうためだ。
二人ともかなり編み物をしているのだが、「面白い! 編んだことない!」とのこと。
そうだよね…こんな変な針の動かし方しないよね(しかも簡単w)!
ということで、わたしの記憶違いのパクリ説(笑)もなくなった!
ほら、無意識で浮かんだアイディアが実はあのときに見たあれに似てるってことも、万が一ありますからね……。
それをめっちゃ心配してた。
なぜ指なし手袋にしたか
じゃあせっかくだし、リンゴステッチで何かをつくりたい。
そうだ、編み物教室で靴下を目標にする人が、輪針のマジックループの練習のために編むパターンがほしいんだよな。
指なし手袋(フィンガーレスミッツ)がいいんじゃないかな、と思った。
教室利用のためのパターンは著作権の関係上、自分で作らないといけないのだ。
うーん。輪編みと往復編みで、親指はホールだけのやつ。他4本指は同じ口から出す。
これなら練習にもなりつつ、初心者用のスキルで編める。
一般的に、指なし手袋を編むとき、往復編みで編んで最後に脇をとじるやり方が多い。
でもそれって面倒に感じるし、初心者にはハードルが高い。
「すくいとじ」が、割と苦手意識がある人が多いからだ。
けれど輪編みなら最後にとじることもなく、工程がひとつ減らせる。
それに輪針の使い方やマジックループに慣れてくると、なんでも編めるようになるのもいい。
そういえば以前、オリジナルのメリヤス編みで編んだ指なし手袋があった。ベースはあれにしよう。
でもちゃんとゲージ計算してS/M/Lのサイズ展開しよう。
あとこれ手袋なんだし、余り糸で編めなければならない!!!
ここは必須項目だ(笑)!
Fingering or Sport weight どちらの太さでも編めるようにしよう。
厳密にはゲージが違うけど、そこまで気にするほどでもない、みたいなゆるい仕様。
配色はぁ……2色にしよう! そうすれば、逆さまにすればファッションに合わせやすいんじゃないかしら。
親指をホールに入れなければリストウォーマーのような袖になるから、色んなシーンで使えそうじゃない?
こういうことを一瞬で思いつく、多動の脳味噌(わたしはマジカルバナナ脳と呼んでいる)は便利ぞ。
編んでみた糸たち
さっそく編んでみよう。
リンゴだから赤やピンクがいいなと思い、ひとつめはファイバーエスキスの手染め糸をメインに選んだ。
これはもともとわたしの靴下のパターン「Mitsuvanilla socks」を編んだときの余り糸だ。
靴下はメリヤス編みなので派手なスペックルが入っていても無問題だったが、こちらの模様編みはどうなるかな?
心配はなかった。編んでみるととってもかわいい。
ふたつめは、リンゴの果肉の黄色っぽい色がいいなと思い、Sekimau knitsの手染め糸で。
これはハルコさんからいただいた余り糸(45gくらい)だったが、手袋には全然たりる。
ほどよいスペックルと優しい色合いが模様編みを邪魔せず、テクスチャーが綺麗に見える。
そうそう、以前編んだメリヤスバージョンの手袋も箪笥から引っ張り出した。
ショッペルの edition3 という Sport weight のメリノウール、グラデーションの毛糸。
これもとても可愛い。シンプルで好き。
ゲージ計算の通り、手囲の長さでサイズを選ぶとジャストサイズで完成する。
もっとゆるめが好きな場合はサイズを上げたり、針をひとつ太くするなど調整ができる。
Sport weight で編めば、もっとむっちりとしたリンゴ模様になる。
自由度が高くていいじゃ~ん!
テストニットと校正
テストニッターさんを募集する前に、ルカちゃんにテストをお願いしていた。
なんと彼女はハイペースで S/M/L サイズを編んでびっくり!
3時間くらいで片手完成ってすごすぎる。思わず拝んでしまった。
(わたしのお祈りポイントで銀のエンゼルクラスが当たりますように!)
そして完成品どれもめっちゃ可愛かったし助かった!
テストニッターさんは、日本語パターンは5人、英語パターンは3人にお願いした。
皆さん色んな糸で編んでくださってとっても可愛かった!
単色も、スペックルも、グラデーションも。手染め糸もメーカー品糸も。
どれも可愛すぎて、ああこんな色もいいな! とか次はこの配色で編もう! とか。妄想が尽きぬデュフフとなった。
特にパターンに関してテクニック表記の間違いなどはなく、安心。
皆さんから、わかりやすい、可愛い、お腹すく、とレビューいただき喜ぶ!
日本語パターンのテストニット中盤あたりで、ふと英語パターンもやってみようと思い立つ。
すべてが思いつき・上から降ってくるタイプの蜜猫、なんとなく書いてみたら、書けてしまった(いや書かされているのだ)。
いつものことだがその間の記憶はない。
一応、AI に見てもらい不自然な英語は直してもらったが、わたしは翻訳など信じぬぞ(笑)。
AI っぽい表現になっていたらやだなあ、でもわからないなあ、ということで。
ちょうど日本に旅行に来ていたネイティブの友人2人に文章校正してもらった!
なんと直しはほぼナシ……OMG! え? ほんと?
え、英語学習続けててよかった!
編み物しないけど読んでくれたミシェラ、エリック、ありがとう!
ちなみに一番のハイライトは、ミシェラから「1ページ目の序文がポエティック(詩的)で好きよ♡」と言われたこと!
序文はどんなときも遊ぶべきというスタンス! やったー!
「こんなのほしかった」
編み会でもこのパターンの話になって、「輪編みで完成する指なし手袋」は編み友さんたち大絶賛。
特にたまやんからは「こんなのほしかったのよ〜」、って。
わかる! わかるです!
とじはぎあってもいいけど、なくてもいけるパターンってある。
敢えてとじはぎ省略しないというパターンは別として、それはどうしてとじはぎなしで作れなかったのか……などと思うときがあるんだ(超身勝手な意見ですみません)。
この指なし手袋は小物だし、スキルレベルも高いものを要求しない。
練習にもなるパターンっていう構想がはじめからあったので、複雑にしたくないという思いがあった。
さらにテストニットのなかでは、リンゴステッチ×格子柄(かのこ編み模様)がアップルパイに見えて、編んでいるとお腹がすく~というレビューをいただいた。
これはわたしにとって最高の誉め言葉である!
だってこのデザインがちゃんとアップルパイに見えるってことだから。やった~!
それって……
シナモンアップルパイ?
チョコアップルパイ?
リッチで贅沢なアップルパイ?
グリーンアップルパイ?
バニラアイスクリームを添えてるやつ?
お茶はどうします? 紅茶、コーヒー、ミルク、緑茶?
こういうの考えるだけで配色が決まっていくのもいい。
編みながらそのおやつをお供にするのもいい。
ただデザインを詰め込んだだけ、というものではなく、編み物体験の一部になれるのが嬉しい。
その時間を過ごして、「今を感じる」というフクロウのかまどのコンセプトにも繋がっている。
パターンはここで販売中
Mitsu apple pie mitts。
つづき
この指なし手袋はYoutubeやInstagramでも紹介していたが、その際、わたしがすでに次のリンゴシリーズを製作していることも発信した。
それが……靴下のパターン!
「このリンゴ模様は靴下になったら絶対可愛いって思ってました」と言ってくださる人が多くて嬉しい!皆さんに銀のエンゼルをお祈りします!!
こちらも楽しみにお待ちくださいね♡
まずはシャトレーゼでアップルパイを買って英気を養ってだな……
mgmg


