子供の頃、童話「ヘンゼルとグレーテル」に登場する『お菓子の家』に憧れていた。
当時はそれは物語の中の話で、現実には『お菓子の家』も『魔法でできたお菓子』も信じていなかった。
でも…もしかすると『お菓子の魔法』は実在するかもしれない…!
魔法ってなに?
そもそも魔法ってなんだろう?
実はわたしは長年魔女を生業としており、何十年も「魔術」について研究をしてきた(そのサイト・黒猫魔術店はこちら)。
厳密に言うと、魔法と魔術は少し違うのだが、ここでは細かい解説はしないでおく。(このサイトでは『感じること』に重きを置いていているので、知識として知りたい人はぜひ黒猫魔術店のblogを見てね)
わたしは魔法は、「『目に見えないもの』がモノに付与されていて、それを効果的に使うこと」だと考えている。
たとえば相手のことを考えて選んだ贈り物には「魔法」が付与されているし、仕事のプレゼンにも「言葉の魔法」がかかっている場合がある。
そうすると絵や音楽や、ダンス、演劇、落語、スポーツ…様々なものに「目に見えないもの」が付与されている場合がある。
もちろん料理もそのひとつ…!
魔法をどう受け取るかはあなた次第
しかしどんなに「目に見えない魔法」を込めても、相手に伝わらない場合がある。
相手が鈍感で「目に見えないもの(たとえば気持ちや誠意、謝罪、本質など)」に気付かない場合や、そもそも最初からそれを受け取る気がない場合、魔法は成立しない。
わかりやすく言うと、相手のことを考えて選んだ贈り物を受け取ってくれないとき。相手が鈍感でその気持ちに気付いてもらえないときなど。(悲しい)
同じ演劇やパフォーマンスでも、役者が違うと心が打たれる場合があるが、それも同じ。
Aさんの感情(魔法)が籠ったパフォーマンスは感動するけど、Bさんは同じ動きをしていても(もしかしたらちゃんと気持ちが籠っているかもしれないけど)感動しないというときがある。
これは両者悪いわけではなく、その時のタイミングや能力も関係するだろうが、要するに魔法(目に見えないもの)を受け取るのはあなた次第ということ。
魔法は物質よりわかりづらい
目に見えないもの(魔法)は、当然、目に見える物質よりも曖昧で、わかりづらい。
物質ならば視覚的に認識できるが、魔法は視覚で捉えることができないので、少しの想像力が必要だ。
しかもそれを認識するためには、双方の「心の余裕」がないとスルーしてしまいがち。
たとえば忙しくしているときは心に余裕がないので、目に見えない気持ち(魔法)まで慮ることが中々できない。
しかしわたしは、忙しい現代人にこそ「心の余裕」は必要だし、ほんの少しの想像力と、ポジティブにさせる魔法は利益になると思っている。
だからわたしは、魔法のお菓子を作りたい!
魔法のお菓子ってなに?
甘いお菓子を食べるだけでも、なんだかハッピーな気持ちになれる。
でもそれだけではなくて、お菓子を作る工程の中で、ちょっとしたエッセンスを入れる。
それは単純に「気持ち」を入れる場合もあるし、古くからイギリスで言い伝えられてきたハーブの魔法を使うこともある。
たとえば、家族の健康を願って作る料理やお菓子。たとえば、頭がスッキリするローズマリーのティンクチャー(ハーブを付けた薬酒)を入れた琥珀糖。
わたしはそんな魔法を使いたくて、日々レシピを研究している。
なぜ「魔法」になるのか
「魔法」が目に見えないものなのはわかった。でも本当に狙い通りの効果があるの?と思われるだろう。
実はこのしくみには脳科学的に合点がいくものがある。
たとえば「バレンタインのチョコレート」を一口食べたらメロメロになってしまう魔法を研究したことがある。
ハーブ学で有名なイギリスの文献を読み、昔から愛の魔法として魔女に語り継がれている食材は、
- 林檎
- シナモン
- カルダモン
- ジンジャー
- ブラックペッパー
そこでコンポートした林檎を入れたスパイシーなチョコケーキを作った。
レシピはこちら
結果は…ゴニョゴニョ さて置き
この話を脳科学の先生が興味を持ち、「どうして林檎のチョコケーキを食べてメロメロドキドキするのか」を解説してくださった。
その記事はこちら(記事中ではそれを”毒林檎”と言っています)
記事を要約すると先のスパイスは、食べるとドキドキしたり、幸福感を得たり、発汗や体温上昇などが起こるため、脳が「うっかり恋に落ちたのぜ!」と勘違いしやすいのだ。
わたしの魔法には欠かせないハーブ
同じように、このハーブは魔除け、このハーブは金運、といった具合に、イギリスのハーブ本によると様々な作用が書かれています。
今でこそハーブの薬効について研究され「メディカルハーブ」分野も発展したが、現地の魔女たちはそれに加えて「薬用だけでなく魔法としての作用」も記している。
わたしはそういう考え方が好き。
なぜならわたしも病気がちで薬をたくさん飲まなければならなかったけど、それは義務感で摂取するのであって、魔法のような上向きな効果を意識したことはない。
けれどハーブは、薬効もあり、なおかつ魔法のようなワクワクドキドキする効果まであるのだという。
それが本当かどうかはどうでもいい。そういう考え方がもう上向きになるのだから。
そういう気持ち(目に見えない魔法)が大切なのであって、ハーブ学に基づいた根拠はあるが頭で考えてほしくない。
だからわたしは説明をあまりしないようにしているが、食べた人は必ず元気になる。
いちいちそんなことを考えながら、お菓子やパンを焼いて、料理を作っている。
これをイギリスの魔女たちは「キッチンマジック」という。
わたしが作る魔法のお菓子やパン
そんなわけでわたしが作る魔法のお菓子やパンにはこだわりが詰まっている。
魔法を有効に作用させたいので、材料のほとんどが自家栽培・無農薬・月の暦栽培の野菜やハーブたち。
育てる段階からすでに魔法がかかっている。
その先の、料理になったところまでを一貫できるから、どういう味で、どういう効果のものがほしいのか、想像して育てることができる。
フクロウのかまどで作っていない、小麦、お肉、卵、牛乳、バター、南国のスパイスやハーブ(カカオやシナモンなど)以外は、すべて自家製を使っている。
さらに旬のものを使うことにしている。
そうじゃないと畑で採れないから。そのため、真夏と真冬は食材が何も採れないときがある。
しかしたくさん採れたときに保存食に加工し冷凍しておくので、だいたい何かしらは作ることができる。
それから、自分が食べたいものや、季節のお困りごとでその日のメニューを決めている。
わたしはおそらく自然に生きている(月の暦で生活をしている)から、食べたいものが季節とよくマッチする。その感覚をだいじにしている。
困りごとは季節ごとに違う。たとえば真夏や真冬は体が冷えやすいので、あたたまるメニューにする。
大切なものを考えてほしい、を提案
わたしがやっていることは、何も特別なことではない。
おそらく昔は当たり前にやっていたことだったはず。
時代が便利になるに従って、わたしたちは季節感がなくても、食材や調理にかける時間を短縮してもよくなったのだ。
それで生活できるし、便利だし、いいことなのだと思う。
けれどわたしは、なぜだか手間暇かける昔の暮らし方のほうが好きだったりする。
あくせく時間短縮して働くよりも、余裕をもって過ごせる気がする。
また、のんびり過ごすとなぜだかお金も使いたいと思わなくなる。
時間を犠牲にして得たお金で病院へ通い、「健康健康」と言い張ってくたばっていく生き方を否定しない。
ただフクロウのかまどに訪れる際には、「この瞬間を感じて」、ゆっくりと過ごしてほしい。
わたしは「何が自分にとって大切か」を考えてほしい、を提案する。
きっとそれはこれから先の多様性の時代、自分で選び取っていかなくてはならない。
なんとなく流されて生きていたら、いつか大切なものを見失ってしまうから。
ここは「大切なもの」に気付ける場所。
そしてそれを願う人にしか、辿り着けない場所。
おすすめの「魔法のお菓子」に関する書籍やドラマ
ショコラの魔法
娘がまだ小学生の頃よく読んでいた、ちゃおのコミックス。
略して「しょこらま」
主人公ショコラが営む「願いを叶えるチョコレート屋」。
でも願いを叶えるためには代償を差し出さなければいけない、というちょっとホラーな物語です。
ショコラは、その「差し出された代償」を入れてチョコレートを作ります。
たとえば願いを叶えるためにあるチョコレートを食べたことによって「美しさ」を差し出したとしたら、
ショコラは次にそのエッセンスを入れて「美しくなるチョコレート」を作るんですね~。
フィクションの魔法から得る面白さ、教訓もあるよなあと!
「笑うせぇるすまん」や「地獄少女」にも似た、教訓や戒めを与えるようなお話がとっても好みです。
同作は、2009年から現在まだ不定期継続しているようで、小説、OVA、そして2021年には実写映画にもなっています。
コミックスは当店の本棚にもありますので読みたい方はお申し付けくださいね♪
まほうのレシピ
まほうのレシピ(Amazon prime video)海外の子供向けドラマ。まほうのレシピ本から様々な魔法のお菓子を作っていく。
子供向けドラマですが、ぜんぜん大人でも楽しめる!
このドラマの雰囲気やお菓子作りの様子、魔法の薬瓶などが大好きで…わたしの中でベスト5に入るくらい好きなドラマ。
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