わたしは五感で感じるものが色や光に見える、共感覚者だ。
それは意識せずとも、様々な情報が、複雑な色の重なりに見えてしまう。
人間もそう。
わたしは人間を見るとき、色に見えてしまう。
その色は正直で、取り繕った表面や言葉に信憑性がないことを教えてくれる。
嘘やごまかし、無感動や無関心はすぐにわかる。
過剰な好意、嫉妬、執着、愉悦、気持ち悪いぐらいにわかる。
それらの色は、染みである。
もともとの、おそらく綺麗で真っ直ぐであろう色に、別の色を上から重ねた、染み。
真っ白なものを色で染めるのはとても綺麗だけど、真っ白な人間なんていない。
必ずなにかの色を持っているもの。
そして後先考えずに色を重ねるのは、美しくない。
たとえそれが「あなたの色に染まりたい」という純粋な想いだとしても
他の色を重ねてできた色は、ただの染み。
美しく計算されて混ぜ合わせた色ではなく、もっともっとと塗り重ねたそれは
まるで乾き切った砂原に与える水のよう。
もっと、もっと、頂戴。と、濁らせる。
色が濁るということは、その人間の思考も、心も、身体も、濁る。
すべては連動している。
対してわたしは、色が滲み出るような人間でありたいと願う。
もっと言えば、その色をぼかして、植物のようにひそやかに生息していたい。
そこに佇み、流れる季節の感覚のなかで息をしたい。
ただただ生きることをしたい。
先人はそれを「くう」だと言ったが、はたしてそこに色があるのか。
「くうの色」は透明に近い紫色なんじゃないかと、思いを馳せる。
しかしまだ、わたしはその領域まで達してはいない。
日々、わたしはわたしの色を鮮やかに保ち、滲み出し、ぼかしていくだろう。
それが美しい。
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