皆さんは、「質感」というものを気にしたことはあるだろうか。
肌触りのいいブランケット、ふわふわでもふもふのワンちゃん…わたし達の生活のなかには、あらゆる「質感(texture)」が溢れている。
今回は、共感覚者が感じる「質感」を絵にする研究の話。
わたしの共感覚
わたしはASD(自閉スペクトラム症)でADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者で、共感覚を持っている。
共感覚とは、ある情報を感じるとき、他の感覚器官の感覚を伴って、同時に感じられるというもの。
感じ方は人によって様々あるが、わたしの場合は、すべての五感情報が錯綜し、同時に感覚として感じとることができる。
例えば、ある人を見たとき(視覚)、視覚で得られる情報(見た目や服装など)の他に、以下の情報を得て、同時に処理をする。
- その人のリズムやメロディーが聞こえる(聴覚情報)
- その人の匂い(嗅覚情報)から健康状態がわかる
- その人の質感(触覚情報)を感じとる 例)「さらさら」「ざらざら」など
- その人の味(味覚情報)、もちろん実際に食べないが、口に入れたとしたらこんな味、というのがわかる
- 上記が統合され、最終的に色や形、光、映像として見える
本を執筆しながら、自分に起きているこれらの感覚について深堀りをしてみると、今まで当たり前だったことにも気付かされる。
それが今回取り上げる「質感」についてだ。
従来の深層アートでは、なによりもまず「色」がテーマになっている。
色は、共感覚者でも、非共感覚者でも、あるいは発達障碍者でも定型発達者でも、わかりやすく、同じ感覚を認識・共有しやすい。
かく言うわたしも、「色」を言葉で説明するのは簡単で、伝わりやすいと思う。
しかしわたしが認識している感覚、要するに「見えているもの」は、単なる色(視覚情報)だけではない。
絵を描くにあたって、次にチャレンジしてみたかったのが、この「質感」である。
わたしが見る「質感」
ある人を見たとき(実際には、人だけでなく生き物全般を見て感じることだが)、わたしがそれに触らなくても、質感を感じることができる。
大きく分けて、4種類のタイプがある(まだ研究の余地があり、分かっている範囲で)
- 霧状(気体)もくもく、ふわふわ、など
- 水状(液体)さらさら、つやつや、など
- スライム状(粘性のある液体)とろとろ、ねばねば、など
- 砂状(個体)ざらざら、がりがり、など
- (少数派でそれ以外……石状、木状、氷状など)
それぞれのタイプは、そのなかでも細分化される。
例えば、スライム状タイプは、粘性の強弱によってさらにグループ分けされる。(例:とろとろ→ねばねば→どろどろ)
「質感」を絵にしてみた
アクリル絵の具を使って、質感の違いをキャンバスに描いてみた。
従来の「深層アート」とは異なるが、こうして質感を伴う絵を描いてみると、わたしが見えているものにかなり近くなってきた。
これまでにわかっている「質感」のこと
1)「色」は気分や感情によってすぐに変化するが、「質感」は変化しない。
例外的に、投薬、慢性的な薬の服用、食生活の変化によって少し変化する場合がある。
質感が変化するとき、ゆっくりと変化が起こる。
2)どの質感が優れているか、劣っているかではない。「質感」はその人の個性である。
3)同じタイプの人とは感性が似ているので、合いやすい。
だが、同じタイプの人同士でも、強弱によってかけ離れた位置にいる人同士は、合わない場合がある。
しかし単に「相性がいいとか悪い」ということを言いたいのではなく、「個性のひとつ」という捉え方が妥当な気がする。
4)赤ちゃん、子供や学生の質感は見えづらい。
自我や個性が、まだ発展途上(成長途中)のため?
深層アートとの違い
わたしが見えているものの見え方が、他の人々とずいぶん違うということが、最近になってわかってきた。
今までもそれはわかっていたことなのだが、改めて言語化してまとめることができてきた。
深層アートとの違いについては、その話を含め、また次回。
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