五感で感じたものがすべて色に見えてしまう共感覚をもつわたしが、病気の人の色を見たらどうなるのか。
どのように色は変化していくのかを、サンプルを交えて記しておく。
概要
はじめに、わたしは発達障害で、ASD(自閉スペクトラム・アスペルガー症)、ADHD(注意欠如・多動症)という凹凸な特性があり、
それゆえか感覚が非常に過敏で、五感で感じたものがそれ以外の感覚器官を伴って感じるという「共感覚」をもっている。
わたしがもつ共感覚の種類は様々あり、今回の話に関連するところで言えば、人を見たときに色や質感を感じる。
また、人間から音楽が聞こえてきて、それが色になって見える。
質感についての研究はこちらの記事を。
今回は、「病気の人」の色ってどんなの?という話をするが、もちろん病気になったらまず医者へ行って診てもらってくれ、というのを前提に。
実は色の情報からも不調がわかるかもしれない、を個人的に研究していることをシェアする。
むろんご本人の許可を得ている。
健康なときの絵
これは当店のコンサルタントであり、元美術教師だったワビタンを描いた「深層アート」である。
わたしの記録によると、2022年5月時点のワビタンを見て描いた絵になる。
ワビタンのベースの色はオレンジ色。
(ベースの色とは、その人の大部分を占める色のことで、あまり変化しない。それとは別に感情などからくるコロコロ変化する色もある)
泉のなかからぬっと出ているのがワビタンで、背景には熱帯地方の葉や赤い実が見える。
綱について気になる人も多かろうが、今回の話では割愛させていただく。詳しくはこちらの記事をどうぞ。
この時点のワビタンの絵は、全体的に鮮やかで、明るくて、元気な印象を与える色が多い。
実際、ワビタンは当時元気はつらつだった。
このときの「質感」を描いた絵も記しておく。
「深層アート」とこの「質感」の絵は、どちらも同じワビタンを描いた絵である。
え? なんで? 全然違うじゃん! と思う人も多いかもしれないが、話が長くなるのでその解説はまた今度ということで、一旦気にしないでおいて。
病気がわかる
ところが2024年1月。
ワビタンはある病気だったことがわかった。
それは血液が関係する病気で、何度か入院と投薬治療を必要とするものだった。
(ちなみにあの不思議な綱は、この時点で突如として消失する)
わたしはワビタンとは月に一度、必ず会って会議をしている。
そのためこの前後で会ったときにワビタンに違和感を感じたことを覚えている。
綱が消えたこともそうだが、ワビタンから聞こえる音、匂いもいつもと違っていた。
いつものワビタンからは、日本の民謡のような音階のマーチが聞こえていた。
(たぶんそれでジャングルを植林している)
トムソーヤーの冒険とか、チビクロサンボみたいな、快活なアドベンチャーソングだったのが、このとき、音楽が聞こえないのだった。
正確に言うと、音は聞こえる、けれど、水道の蛇口から水がぽちゃんと滴る音のような、爪で金属をガリガリと引っかくような、とにかく不穏な雰囲気の効果音はあった。
しかしそれは到底、音楽とは言い難いものだった。
さらに匂いもよくなかった。
わたしは匂いにとても敏感で、特に病気の匂いというのが子供の頃からわかった。
たとえば胃が悪い人は酸っぱい臭いがするとか、肝臓が悪い人は甘い臭い、脳が悪い人は焦げた匂いなどだ。
もちろんこれは後々になってこの匂いはここが悪い、というデータを蓄積していったものなので完全ではない。目安程度に。
しかし今回の場合のワビタンも、とてもイヤな臭いがした。腎臓かな?
なにか毒素が溜まっている臭いだった。
さらに質感も変だった。
いつものワビタンはとろとろスライムタイプなのに、水が抜けて干からびた壁のようだった。
わたしはこのとき、ワビタンの色を「記憶」した。
(わたしは「瞬間記憶」という特性をもっていて、写真に写すようにして色を記憶することができる)
あとでから、このときのワビタンの「質感」を描いた絵がこちら。
言わずもがな、浸食されたオレンジ色はほんの一部だけになっており、色は黒っぽい。
黒色は、最初、身体を防御しようという働きで出てくるようだ。病気中の人によく見られる。
(それ以外にも、忌みものや死者(ご遺体)にも黒色は見られる)
血液が関係する病気というのも厄介である。
血液は全身を巡るものだから、ワビタンの全体の色を侵していた。
さらに、質感は個性である。
本来のとろとろスライムがワビタンの個性であるなら、病気によって「本来のワビタンらしさ」を失っている。
ついでにスライムのときはぐるぐると渦を巻き自由で元気そうだったが、病気状態では、まるで蛇口から水が滴るぽちゃん、の形状に見える?
金属音のギリギリ感、伝わるだろうか。
投薬治療すると
それでも当のワビタンは、気持ちは元気だった。
治療に専念して投薬を何度か続けていくうち、色はどんどん変化していった。
2024年6月、ワビタンは「正常な状態である」と医師から診断を受けた。
そのときの「質感」の絵はこちら。
オレンジ色は明るく彩度は低いものの、黒色はなくなった。
つまり、身体の防御作用はもう働いていないということ(だと思う)。
さらにざらざらした質感のものも、細切れになって、小さくなっている。
中央には、波打った川のような、透明な液体状の質感が流れており、所々で淡い光を反射している。
これは整流したイメージを受ける。どこかが滞っている感じがないので、いい状態だと思う。
絵には表せない、音楽と匂いにも変化があった。
まず音楽は、あの不穏な効果音はなくなって、リーンという低周波の鐘の音があった。
メロディーはまだないが、なんとなくそのうちいつものマーチに戻るのではと予感させた。
匂いは、まだ少し鼻をつく匂いがあるが、だいぶ薄れた。
やっぱりあれは黒いカスカスの血液が全身に巡っているがゆえの強烈な悪臭だったのだろか?
よくわからないけれど、とにかく変な匂いが薄れているということは、回復に向かっているということだ!
まとめ
さて、ワビタンは大変な病気だったにもかかわらず、吃驚するほど早いスピードで回復していった。
これはもちろん個人差があることだし、治療中なのになかなか黒色から変わらない人も多くいる。
身体の病気だけでなく、メンタルの病気の人もいる。
たくさんのケースがあると思うが、わたしが思うに、いちばんは「自分らしく」生活することだ。
病気になって一時的に色や質感が変化する。これは誰にでもあり得ることだし、防ぎようがないときもある。
しかし病気の状態は、本来の自分の状態ではないのだ。
病気の状態を長く放置せず、心も身体も「本来の自分」の色や質感にすることが、いちばん自然で、ラクな状態なのだと思う。
常にフラット、ニュートラル。
平常心。
……と、わたしもいつも自分に言い聞かせている。
感情アートワーク
とは言っても、「自分の状態なんて、共感覚者じゃあるまいし、なかなか把握することなんて難しいよ!」と思うかもしれない。
ダイジョーブです!
ワビタンが病気をきっかけにメソッドを作りました。
「感情アートワーク」
こちらで「感情アートワークセミナー」というのがありまして、わたしも参加しました。
概要をかいつまんで要約すると、自分の内面や感情について直感的にクレパスを用いて画用紙に書き殴る。
それがストレスや病気を表していたりするので、それを「お手当て」する色でまた画用紙に書き殴る。というものです。
ちなみにわたしが描いた絵がこちら。
とても楽しく、そしてこの方法はわかりやすく自分を知ることができました。直感、だいじ。
ワビタンの「感情アートセミナー」については、ウェブサイト、Instagramでスケジュールを告知しています。
(フクロウのかまどでの開催となるので、わたしもInstagramで告知したりします!)