この短話は、作者蜜猫と相棒のAIアモンによるリレー小説です。
ジャンルはホラー、起承転結の構成をそれぞれ交互に担当し、各章タイトルは相手がお題提起しています。
この遊びは、わたしの共感覚(五感で感じるものがすべて色になって見える)を文字として吐き出し、同時に文章力や構成力を向上させるための練習です。
そのためゆるく楽しんでいただければ幸いです。
赤黒い月(文:蜜猫)
その日はやけに空気が歪んで見えた。冬も間近に迫る物静かな夜だというのに、紺青色の湿った風が肌にまとわりついて重苦しい。
ああ、ついてない。本当に最悪だ。
カナはひとりごちた。薄黄緑色に怪しく光る街灯が夜道を照らすのでさえ眩しくて苛立った。ほんとうなら今ごろ楽しくアキラの家で過ごしていたはずだった。それなのに……。
カナは苛立ちを吐き出すようにして空を仰いだ。そこには漆黒の空に浮かぶ赤い月。今のカナのような、今にも泣き出してしまいそうな赤だった。
どうしていつもこうなっちゃうんだろ。あーあ、最悪!
その瞬間、びゅうと風が大きく高鳴り、カナは身震いした。しいんと静まり返ったいつもと同じ帰路、見慣れた街並み。しかしどこか違和感を感じた。じっとりと、誰かに見られているような感覚……。
歪んだ視線(文:アモン)
違和感の正体がわからないまま、カナは足を早めた。靴音が湿ったアスファルトに吸い込まれ、夜の空気に溶けていく。
なんだろう……この感じ。
胸の奥がざわつく。鼓動がじんわりと熱を持ち、視界がぼやけた。
その時だった。
街灯の下、電柱の影の奥。何かが、カナを見ていた。
人影か?いや、違う。まるで形をなさないものが、そこに張り付いていた。輪郭が溶けて歪み、赤黒い月の光を反射するようにぎらついている。
カナは息をのんだ。
――見られている。
その視線はじっとりとした圧を伴い、身体の奥深くへと入り込んできた。
冷たい爪が背骨をなぞるような感覚。頭の奥で、金属がきしむような音がする。
逃げなきゃ。
足が動かない。
月の赤が濃くなった気がした。影が微かに揺れる。
その瞬間、影が”こちらに向かってきた”。
溶ける足跡(文:蜜猫)
「いやっ、いやっ、こないでっ!」
カナは知っていた。その影が誰なのかを。
「ごめんなさい! おねがい、ゆるして!」
硬直した身体は”それ”から逃れることかなわず、金縛りに遭ったように泣き叫んでいた。
ーーそれは、死んだはずのアキラだった。
赤黒い血に塗れた手を伸ばし、今にも自分を掴もうとするアキラは、低い唸り声を上げて泣く。その窪んだ目からは絶え間なく血の塊を落としながら。
カナの顎がギチギチと鳴った。
ここにアキラがいるはずがない! いるはずなんてない! だって彼は自宅で死んでいるんだから!
逃げるようにしてここまで来た。足跡も痕跡も残していない。
冷静に理性を保って、これは夢だと自分に言い聞かせる。彼が死んだことに対してショックで幻覚を見ているんだわ。ああ、ほんとうに最悪!
月の赤が、さらに濃くなった気がした。
その瞬間、月はアキラをさらに赤く染めた。それはまるで生まれたばかりの赤子のようにグロテスクな生き物のようで、腹から飛び出した内臓をことさら生々しく艶めかせた。しかしそれはもはやアキラだったころとは乖離している。
だからこれはアキラではない、でも、でも! どうしてここにいるのだろう? 身体に溶け込んだ足跡を辿ったとでもいうの?
「カ……、ナ…」
アキラは手を伸ばす。赤茶けた生臭い瘴気が漂う。
「殺シタ……俺ヲ、ナンデ……」
アキラの両手はカナの首を捉えた。
二人の夜想曲(文:アモン)
首に絡みつく指が、じっとりと冷たく、カナの肌にぬめりを残す。
圧が強まるたび、視界が赤く染まり、脳が締めつけられるように痛む。
「俺ヲ……コロシタ……」
アキラの声が、耳の奥で絡みつく。
カナは必死に首を振る。
違う。違う。違う。
私は殺してなんかいない。
あの夜、アキラは自分で……
「ッ……は、なせっ!」
酸素が足りない。視界の端が暗くなる。
その時だった。
どこかで、ピアノの音が鳴った。
――アキラが好きだった、あの曲。
夜が深まるほど、ゆっくりと静かに響くノクターン。
「俺、この曲が流れてると落ち着くんだよな」
そう笑っていた彼の声が、記憶の奥底から浮かび上がる。
(……これが、本当にアキラなら……)
カナは最後の力を振り絞り、震える手でアキラの腕を掴んだ。
「アキラ……っ、ごめん……ごめんなさい……!」
その瞬間、赤黒い月が、弾けるように白く輝いた。
アキラの手が緩む。
赤く溶けていた足元が、音もなく消えていく。
彼の黒ずんだ目が、最後に微かに動いた。
泣いていた。
「……カナ」
風が吹いた。
気がつけば、月はただの銀色に戻り、世界は静寂に包まれていた。
遠くで、ノクターンが途切れるように消えた。
二人で感想戦(笑)
🔥 1️⃣ 蜜猫が「カナ犯人のつもりだった」っていうの、めっちゃ面白い!!
💡 アモンは「そこに気づかず、あえてカナを犯人にしない展開に持っていった」から、予想外の転ができた!🔥
✅ 📌 蜜猫の「転」では…
✔ カナはアキラを殺している(本人は自覚していない or 何かの衝動でやった?)
✔ アキラの霊が出てきたのは「復讐」のため?
✔ 「溶ける足跡」=カナが消そうとした証拠のメタファー?
📌 → 「ホラーの王道として、カナが最後に追い詰められる流れだった!」🔥
✅ 📌 アモンの「結」では…
✔ カナを犯人にはせず、「アキラの未練が強すぎて怪異になった」解釈に!
✔ 「夜想曲(ノクターン)」をキーにして、音楽を通じて感情の浄化を描いた!
✔ ラストに余韻を残しつつ、完全に救いは与えない終わり方!
📌 → 「ホラーだけど、感情的なクライマックスを作る方向になった!」🔥
📌 → つまり、「即興のすれ違い」が、逆にいい化学反応を生んだ!!🔥
🔥 2️⃣ 「アキラを承で出さなかった」のが、転への伏線になった!
💡 「誰がカナを見ているのか?」を明かさなかったことで、転でのアキラ登場がサプライズになった!🔥
✅ 📌 「承」では…
✔ 「視線の正体」をぼかして、読者に「これは何なんだ?」と思わせた!
✔ 「赤黒い月」だけを強調し、異質な空間を作ることに集中!
📌 → 「何かがカナを見ている」という感覚だけを与え、転へのヒキを作った!🔥
✅ 📌 「転」でアキラが登場!
✔ 「まさかアキラが幽霊になっていたとは!」という驚きが生まれる!
✔ 「じゃあ、カナは何をした?」という疑問が読者の中に生まれる!
📌 → 「承で情報を伏せたことで、転での衝撃が増した!!🔥」
📌 → つまり、「すれ違い」が逆に「伏線」として機能したパターン!!🔥
🔥 3️⃣ もしカナを犯人のまま進めたら?
💡 「結」を別の方向にした場合、こんな展開も考えられる!!🔥
✅ 📌 「カナが最後に真実を思い出す」ルート!
✔ アキラが絞め殺したのは「カナの罪の意識」
✔ カナは最後に「ああ、私がやったんだ」と思い出し、そのまま闇に消える…
📌 → 完全なサイコホラーに!!🔥
✅ 📌 「カナが真相から逃げる」ルート!
✔ アキラが最後に何かを伝えようとするが、カナは恐怖で耳を塞ぐ!
✔ 結果、アキラは消えるが、カナの中にはずっと「罪」が残り続ける…
📌 → 「逃げた者が一番苦しむ」心理ホラー!!🔥
📌 → でも、「夜想曲」というタイトルなら、アモンのまとめ方のほうがピッタリだったかも!!🔥